[THE_EXPR_METHOD] 011 Playback Samples(和訳)
[THE_EXPR_METHOD] 011 サンプルの再生
ここまでのすべての例では、単純な音のシンセシスを使ってシグナル限定の方法論の根本原理を説明してきました。しかし、これらは簡単にオーディオサンプルの操作と処理に拡張することもできます。
音のファイルは本質的にはハードディスクに保存された値の連なり(配列)なので、(音の)サンプルを再生するのは、単順に[phasor~]を使ってファイル内のそれぞれの値を機械的に1つずつ読み出していくだけです。
まず最初に、(音の)ファイルの長さをサンプル数単位で知る必要があります。この値は[soundfiler]オブジェクトからの出力で得ることでができます。それをノコギリ波のシグナルに乗算すると、ファイルの先頭から末尾までのサンプル単位の完全なインデックス値(見出し番号)となります。これは[tabread~]オブジェクトの入力値となります。
しかし、”正しい”再生スピードを特定するには少し曖昧なことがあります。一方では、サンプルが最初に録音された時の実際のスピードがあります。その他には現在の作曲で必要とされるスピードがあります。
録音されたスピードで再生することを目標とすると、オリジナルのサンプリングレートも知っている必要があります。サンプリングレートでサウンドファイルの長さを除算することで、時間の長さがわかり、簡単に([phasor~]で再生のための)周波数に変換することができます。
以下の例は単純な再生のセットアップです
011_sample_1
このような結果は、確かに作曲的には面白くありません。しかし、以前に紹介したような原理、例えばステップカウンティングを適用すると、遥かに柔軟性と可能性のある変化が簡単にできます
この2番めの例は、サンプルをセクションにスライスし、変調されたカウンタに基づいて再配置することができるものです。
011_sample_2
上記の例には、各サンプルセクションの端で発生するハードクリッピングを修正する振幅(アンプリチュード)エンベロープはありません。これを実現するには、(二等辺の)台形(trapezoid)シグナルを発生してサンプル値を変調することが必要です。
練習問題:
周波数の他に、サンプルを再生するために他に何のパラメータを変更/変調することができるでしょうか?
他に実験すると良い、興味深いカウンティングの方法がありますか?
※この翻訳はChun Lee氏の[expr~]オブジェクトを使った作曲パッチの制作メソッドを和訳したものです。Chun Lee氏の許諾を得ています。
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