[THE_EXPR_METHOD] 010 Shuffle(和訳)
[THE_EXPR_METHOD] 010 シャッフル
fmod()関数とfloor()関数を使って時間の分割を作る時、それは基準の区分と同じになります。これはさらに処理を進めるのに便利です。なぜならば、各小節の長さは同じだからです。しかし、それは画一されたやり方なので、いつも音楽的に望んだ通りの時間間隔が得られるわけではありません。よくわずかなシャッフルが繰り返されるリズムパターンに意図的に使われます。これは一般的に”スイング”のことを指します。
ノコギリ波のシグナルをシャッフルするために、以下のメソッドを使うことができます:
[phasor~ 0.5] [sig~ 0.6]
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[expr~ if($v1<$v2, $v1/$v2, ($v1-$v2)/(1-$v2))]
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[s~ shuffled_signal]
[expr~]の2番めのインレット($v2)はシャッフルの量と方向を意味します。値を0.5に設定すると、(コントロール用に)入力するノコギリ波は等しく2つに分割されます。0.6だと前半のセクションが長さが増えて後半部分よりも少しだけ長くなります。この場合、許容される$v2の値は0〜1の範囲のものであることに覚えておいてください。
ノコギリ波が任意の割合で分割されるのは、”スイング”の不均等な2つの部分に関して、シグナルの現在位置を特定するのにも使えます。
以下の例は1つめの例とのコンビネーションとして使われたものです:
[phasor~ 0.5] [sig~ 0.6]
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[expr~ if($v1<$v2, 0, 1)]
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[s~ shuffle_idx]
このケースでは、インデックス値0と1によって2つのセクションに分けることができます。シャッフルのシグナルでは、floor()関数を使ってカウント用のシグナルを得るのはより難しくなるでしょう。もし、より大きな音楽フレーズの中でシャッフルされたシグナルの特定の部分を分離したければ、通常のfloor()によるカウンタと上記のインデックス値の組み合わせを使うことで実現できます。これは以下の例のパッチで見ることができます。:
EXAMPLE PATCH: 010_shuffle.pd
シャッフルの音楽的な効果はシンコペーションにとてもよく似ています。不均等な時間のユニットを意図的に分布させることにより、ビートから少し外れた”グルーブ”感覚を知覚できます。しかし、シンコペーションされたリズムである”シャッフル”の量は均等に分割された時間の区分に配置されています。一方シャッフルは(たくさんのドラム・マシンに見られるように)その量、通常は現在の時間のユニット/尺度の割合ですが、それを調整ができます。例えば、2つの連続した4分音符にスイング10%を設定すると、最初のビートが次のものよりも少し長くなります。
※この翻訳はChun Lee氏の[expr~]オブジェクトを使った作曲パッチの制作メソッドを和訳したものです。Chun Lee氏の許諾を得ています。
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