FM合成
このチュートリアルでは最も初歩的なFM合成の方法を紹介します。
FMはYamaha DX-7などのシンセサイザで採用されている、最も有名な音合成テクニックの1つです。AMやRMではある信号の振幅に対してモジュレーションをかけていましたが、1つのオシレータの周波数に対してもう1つのオシレータでモジュレーションを掛けるのがFMです(下図)。
1つの「osc~」からの出力が、増幅されもう一つの「osc~」の周波数を操作しています。上図のようにキャリア周波数といって、下側にある「osc~」の基本となる周波数を400 Hz.に、そして、その周波数を変化させるもう一つの「osc~」の周波数(変調周波数 = Modulation Frequency)を2 Hz.、変調指数(Modulation Index)といって変調の振幅大きさを 100に設定すると、400 Hz.を中心にサイン波が300 Hz. と 500 Hz. の間をいったりきたりしてビブラートのような効果が得られます。
しかし、この変調周波数を10、20、30、40と高めていくと、AMではサイドバンドが2本立ち「山」の形が見えて来ましたが、FMではサイドバンドが多数立ち上がり「山脈」が見え始めます、これが典型的なFMのスペクトラムです(下図)。
サイドバンド群の周波数は、キャリア周波数と変調周波数の和と差になります。
例えば、キャリアが800 Hz.で変調周波数が200 Hz.の場合、
800 + 200 = 1000 Hz.
800 + 200 * 2 = 1200 Hz.
800 + 200 + 3 = 1600 Hz.
800 – 200 = 600 Hz.
800 – 200 * 2 = 400 Hz.
800 – 200 * 3 = 200 Hz.
等にサイドバンドが観測されます。
またキャリア周波数と変調周波数が整数比の場合は調波音となりますが、そうでない場合は非調波音となります。
変調指数のパラメータは上げれば上げるほど、サイドバンドの数が増えます、そして高い「山」がなくなっていき「山脈」が段々平地化していきます。