iPhoneでPdを使う (10) – サンプル&スクラッチ
このチュートリアルでは、前回の要領で録音した声をDJのスクラッチのようにiPhone画面を指でこする事で、スクラッチングするアプリを作ります。
MMPファイルは「button」1つと大きな「slider」1つで以下のようにデザインします。
「button」のAddressの項は「/rec」と、「slider」のAddressは「/scratch」としてください(サムネイルをクリックで拡大)。
スライダーの範囲(Slider Range)はデフォルトの「2」のままにしておいてください。
これでMMPファイルは完成です。
Pdパッチは下図のように、前回の逆再生のパッチに若干手を加えるだけで出来てしまいます。「adc~」からのシグナルを「tabwrite~」を使って、Array「sample」に録音する仕組みは前回のものをそのまま流用します。
「route」のアーギュメントは「/rec」と「/scratch」つまり、録音とスクラッチ演奏の2系統の命令が受け付けられるようにします。録音の命令「/rec」 に関しては、前回同様「sel」を介して、「tabwrite~」と接続してください。「/scratch」に対応する「route」のアウトレットからは、スライダーの情報、つまり「iPhone」のマルチタッチ上での指の位置の情報が0から1の範囲で出力されます。
これを「timer」で計測し、「* 44.1」で単位をサンプルに変更した、録音されたサンプルの長さとかけると、録音したサンプルの最初から最後までの範囲をスライダーでスクラッチ可能となります。「pack 0 50」「line~」により、スライダーの値を変更した時に補間が加えられるようになり、これによりスクラッチングを行った時に音が聞こえるようになります。
パッチのプログラミングが終わったら、いつものようにMMPエディターで「Main Pd File」を指定し、iTunesでiPhoneにMMPファイルとパッチを転送します。
スライダーの横のボタンを押して声を録音し、その後スライダーを動かすと、先ほど録音した声のスクラッチングが行えます。