カーブの応用
前のチュートリアルでは「pow~」を使って、「line~」から生成されるランプ(直線)を曲線に変化させる方法を紹介しました。
今回はこれの応用を少し紹介します。
例えば、このテクニックを「phasor~」と組み合わせても面白いかもしれません。
「phasor~」は指定された周波数で0から1の範囲でノコギリ並を生成するオブジェクトです。
「pow~」を使ってこのノコギリ波の「歯」を滑らかにして「切れないノコギリ」を作ってみましょう。
指数を5くらいにするとこのような感じ、
20までにすると、音が痩せ、波の形状はパルスのようになってしまいます。
今度はこのアイデアをサンプルのループ再生に応用してみましょう。
「tabread~」と「phasor~」を組み合わせるとループ再生が行えるのはご存知の通りですが、
この「phasor~」の出力するノコギリ波を前述のようなカーブにする事によって、ループの速度をループ内に変化させる事ができます。
これによってループ内で段々速度・ピッチを高く・低くする事などが可能です。
以下のパッチでは、「loop.wav」というドラムループをArray「loop」に取り込み、phasor~によってループ再生を行なっています。
「soundfiler」はサウンドファイルをArrayに読み込んだ時に、そのサウンドファイルの長さ(単位はサンプル)をアウトレットから出力するため、
それで44100を割ることによって、元のピッチで再生するためのループの適切な周波数を算出できます。
さて今度は、この「phasor~」の下にお馴染み「pow~」をはさみます。そして指数を0から1の範囲に設定すると、段々スピードが遅くなるループ、
1より大きい値に設定するとスピードが速くなるループが聞こえてくるはずです。